「インターンシップの導入を考えているものの良い企画が思いつかない」
「学生から選ばれるインターンシップの企画が難しい」
「インターンシップの企画について考える流れが知りたい」とお悩みの採用担当者様も多いと思います。
25卒就活生の3年生10月時点ではインターンシップの参加率が9割程度と、就活生がインターンシップに参加すること自体が当たり前となっている昨今。自社に合う優秀な学生を採用するにはインターンシップの設計は不可欠であると分かっているものの、プログラムの企画・設計に十分な時間を割けていないといった課題があります。
本記事では、学生から選ばれるインターンシップの企画・設計手順について、インターンシップの設計を行うプロの目線で丁寧に解説していきます。インターンシップ後の採用プロセスを組む方法についてもご説明しておりますので、是非最後までご一読ください。
1. 目的と目標の明確化

まず、インターンシップの目的と目標を明確にします。
明確な目的があれば、プログラムの設計や評価が容易になります。
目的はインターンシップ全体の方向性を決定する大きな柱です。
学生の母集団をより拡大するために実施するのか、はたまた単に母集団を形成するのではなく優秀な学生のみを集めグリップするべくインターンシップを実施するのか等、採用を目的とした場合であったとしても企業の目的によってインターンシップの内容が大きく変化するのです。実施目的は多岐にわたりますが、具体的には以下のような目的が考えられます。
① 新卒採用候補の発掘と評価
・インターンシップを通じて、将来の社員候補を見極める。
・学生の実際の業務能力や適性を評価する機会とする。
② 企業ブランドの向上
・学生に対して自社の魅力を伝え、良い印象を持ってもらう。
・大学や学生コミュニティ内での企業認知度を高める。
③ 社内教育と育成の強化
・将来の社員として育成を考慮し、必要なスキルや知識を早期に身に着けさせる。
・若手社員がメンターとなることで、社内のリーダーシップを育成する。
④ 業務のサポート
・短期的なリソースとしてインターン生を活用し、特定のプロジェクトやタスクを遂行する。
2. 具体的な目標の設定
目標は具体的で測定可能な成果を示すものです。
目的を達成するために、前項で立てた目標を数値で表せるまでに具体化する必要があります。以下のような具体的な目標を設定すると目標が明確になるでしょう。
① 採用目標
・インターンシップ終了後、ワークに取り組む姿が優秀だった〇〇%の学生に本選考へ進んでもらう。
・インターン生の中から〇〇人を採用候補としてリストアップする。
② スキル習得の目標
・インターン生が特定のスキル(例:プログラミング、プロジェクト管理、マーケティング戦略など)を習得する。
・研修や実務を通じて、学生が一定の基準をクリアする。
③ ブランド認知度の向上
・インターンシッププログラムを通じて、特定の大学や地域での企業認知度を〇〇%向上させる。
・インターン生からの満足度調査で、〇〇%以上の高評価を得る。
④ プロジェクト完遂の目標
・インターン生が参加するプロジェクトの成果物を〇〇月までに完成させる。
・インターン生が具体的な業務成果(例:市場調査レポート、開発プロトタイプなど)を提出する。
また、目標を達成するためには具体的な行動計画が必要です。
社内の状況を踏まえて以下のような項目を含めて計画を立てます。
- タイムスケジュールの設定
各目標の達成に向けたスケジュールを作成し、マイルストーンを設定します。 - リソースの割り当て
目標達成に必要なリソース(人材、予算、ツールなど)を適切に割り当てます。 - 進捗管理
定期的に進捗状況を確認し、問題が発生した場合には迅速に対応します。
インターンシップの目的と目標を明確にすることは、プログラム全体の設計や実施の方向性を決定する上で不可欠です。明確な目的と具体的な目標を設定することで、インターンシップをより効果的かつ効率的に運営できるようになります。これにより優れた人材を確保し、学生にとっても価値のある経験を提供することができるのです。
3. ターゲットの明確化

次に、どのような学生をターゲットにするのかを決定します。特定の大学、学部、学年など、具体的なターゲット層を設定し、その層にリーチするための手段を考えます。ターゲットを明確にすることで集客施策の効果が高まるほか、自社にマッチした学生により良い経験を提供できるようになります。
ターゲット層を特定する際には以下のような要素を考慮し、実施目的に沿った学生像を詳細にイメージすることが重要です。
- 学歴・専攻
大学・学部・学科:特定の大学や学部、学科に焦点を当てることで、必要なスキルや知識を持った学生を集めやすくなります。例えば、エンジニアリング部門では理工系学部、マーケティング部門ではビジネス学部など。 - 学年
1年生から4年生(あるいは大学院生)までのどの学年を対象にするかを決めます。例えば、3年生や4年生は就職活動に近い時期であり、採用に直結しやすいです。
- スキル・経験
① 特定のスキル:プログラミングスキルやデータ分析能力など、特定のスキルを持つ学生をターゲットにする。
② 過去のインターン経験:既にインターン経験がある学生は、即戦力として期待できる場合があります。
- 地理的条件
企業のオフィスに通いやすい地域の学生をターゲットにする場合には地元の大学生を対象とする場合が主ですが、オンラインインターンシップの場合は全国、あるいは国際的な学生を対象とすることも可能です。
- 学生の関心や価値観
① 興味・関心:企業の業界や業務に強い興味を持っている学生をターゲットにする場合や、特定の環境問題に関心が高い学生を集める場合、環境保護をテーマにした企業説明会を行うなどの例があります。
② 価値観の一致:企業のミッションやビジョンに共感する学生を集めることで、インターンシップの成果が向上します。
4. プログラム内容の企画設計
学生に対するターゲット設定が明確になったところでインターンシップのプログラム設計に入ります。インターンシップの内容は、学生が実際の業務を体験でき、企業文化や価値観を理解する機会を提供することが求められます。
インターンシップのプログラム内容を設計する際には、学生に対して企業の実務を体験し成長できる機会であるとアピールすることが重要です。
また、学生ターゲットに合うプログラム内容とするためには実施期間も非常に重要です。
一般的にインターンシップ(オープンカンパニー)と言うと1Dayや半日のものが大半ですが、成長意欲の高い優秀な学生には複数日程のプログラムが好まれる場合もあるため、1日で終わるプログラム以外にも複数日程を必要とするプログラムを用意する等ターゲットに合わせた調整が必要です。
本項目では、インターンシップの大枠となる骨組みと学生がインターンシップに求める要素について詳しく説明します。
学生がインターンシップに求める要素について

新卒採用市場においてインターンシップの実施は当たり前となっており、就活生も大学3年生の10月時点で約9割がインターンシップに参加しているというデータがあります。(引用:マイナビ キャリアリサーチラボ)
また、1人あたりのインターンシップ参加社数が6社という統計も出ており、数あるインターンシップ求人の中で自分にマッチした求人を選定している状況です。
多くの就活生がインターンシップを選ぶ軸としては下記5点が代表的です。
- 複数日程の中から参加日を選ぶことができる
- 対面形式で開催される
- 本選考で有利になる
- 長期休暇中に開催される
- 交通費が支給される
やはりインターンシップは数が多いため、いかに柔軟に参加できるかどうかが決め手となっています。
とは言え、学生のペルソナによっては参加ハードルの高いインターンシップが好まれる場合があるので、ターゲットのニーズを汲み取った上でプログラム設計を行うことが重要です。
インターンシッププログラムの骨組み
インターンシップは、学生に実際の業務を通体験してもらいつつも自社の魅力をアピールすることが重要です。
半日〜長くて2週間と限られた期間の中で魅力を伝える必要があるため、タイムスケジュールに気を配りつつプログラムを設計します。
1Dayであれば主に下記タイムスケジュールで進行する場合が多いので参考にしてみてください。
- オープニング(プログラム内容説明)
- 会社・業界説明
- グループごとに学生の自己紹介
- 会社の事業を深く理解するためのグループワーク
- チームごとに若手社員がアドバイス
- チームごとにワークの成果発表
- 総評
- クロージング(次回の選考案内)
上記プログラムは1Dayのオープンカンパニー(オンライン対面問わず所要時間は6時間程度)を想定しています。
実施期間や目的によってプログラムの内容は大きく異なるため、充実したプログラム内容とするためには目的から逆算して設計を行わないといけない点に注意が必要です。
5. 募集チャネルの確認・検討

インターンシップの告知は、大学のキャリアセンター、オンライン採用媒体、SNSなどを活用して広く行います。手法が多岐に渡るため、事前に自社で活用可能な募集チャネルを洗い出し、必要であれば新規で採用媒体の利用を検討しましょう。
採用媒体ごとに利用学生の属性が大きく異なるため、ターゲットとする学生に合わせた媒体選定が非常に重要です。
また、インターンシップの魅力を最大限に引き出すためは求人の書き方にも注力する必要があります。
せっかく学生ウケの良いプログラムを作成したにも関わらず、学生に魅力が伝わらなければ満足の行く応募を集めることができません。他社の分析を通じて学生から応募が集まる求人となるよう、一文一句こだわったページを作成しましょう。
6. 実施時の流れをリハーサル
プログラム実施の準備が整ったところで、実際に運用が可能かどうか関係者を集めてリハーサルを実施しましょう。
当日の流れをイメージし、一通りリハーサルすることで見えていなかった課題を発見することがあります。
特に、会社説明の尺にタイムスケジュール通りの長さがあるかどうかや、学生のグループワーク内容について自らが実体験しておくことが重要です。リハーサルを行わずにぶっつけ本番でインターンシップを実施すると、想定通りにプログラムが進行せずに学生の満足度が低い結果に終わってしまうケースが少なくありません。
学生目線で満足するプログラムとなるよう、参加者目線で抜け漏れがないか確認するよう心がけると良い内容に仕上げりますよ!
7. インターンシップ実施後のフロー設計

インターンシップが終了した後も、学生との関係を維持するための取り組みを行います。
特にインターンシップの実施目的を「新卒採用候補の発掘と評価」と置いている場合には実施後のアフターフォローが必須となります。プログラム実施後の最も就活生がホットなタイミングで入社意欲を高めるためには、フロー設計を念入りに準備しておくことが非常に重要です。
具体的には、クロージングのタイミングで次回の選考案内を行う場合やインターンシップで好印象を受けた学生に対して、実施後(当日が好ましい)にメールや電話で次回選考案内を行う方法があります。
【アフターフォロー例】
1Dayインターンシップ
特別人事面談
一次選考
ニ次選考(人事責任者 or 役員)
最終選考(内定付与)
売り手市場である昨今は就活生の志望度が移りやすいため、日程調整も含めてスムーズに選考を実施できるようフローを組むことが重要です。採用への期待度が高い学生に対しては電話等で直接日程調整を行うことで、選考の歩留まりを改善することができます。
8. まとめ
インターンシップのプログラム設計について、目標設定からアフターフォローまでの手順を解説しましたがいかがでしたか?
今の時代に優秀な学生を採用するには、ターゲットとする学生から他社比較した上で選ばれるインターンシップを設計することが必要不可欠になります。そのためには、本記事で記載した内容以外にも競合他社が行っているインターンシップ内容の分析や学生からの生の声を聞きつつプログラム設計に反映すると言った地道な業務が必須です。
自社で1から考案することも重要ですが、日々の人事業務に忙殺されて中々企画設計の時間を作ることができないご担当者様も少なくありません。新卒採用を成功に導くためにも、インターンシップの設計をプロに頼んでみることもオススメです!
当社では一度作成させていただいたプログラムを翌年以降は無料でご利用いただけますので、採用を強化したいタイミングで是非、プロへの相談をご検討ください。
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